〜起業の戦略〜

第10話          10 11 12
1.輸入ビジネス
@ あらすじ
手術後、三ツ木の容態は急変し、亡くなってしまう。沖縄へ転勤になった永瀬は夏子を忘れられず銀行を辞め、リトルバードでバイトすることになる。残された太田は悲嘆にくれていたが、三ツ木の意志を尊重し、仕事へ復帰する。HANADAはリトルバード潰しのために、ビアンカ社の製品をリトルバードの半値で売り始める。野島は離婚して手放した子供と会うこと悩み、鴨下は永瀬と一夜を共にした太田にショックを受ける。

A ドラマのポイント

a. リトルバードは専売契約をビアンカ社と結んでいたのに、なぜ、HANADAがビアンカ社の製品を販売していたのだろうか?

リトルバードとの専売契約が有効になる以前に、ビアンカ社が同様の契約をHANADAと結んだことになっているから。ビアンカ社は後から契約の申し出があったHANADAと契約を結ぶため、損害賠償などのペナルティが予想されるリトルバードとの契約を破棄する手段を取らず、詐欺まがいのことをやったのであろう。

b. なぜ、HANADAはそこまでしてリトルバードを潰そうとしているのか?

花田社長はプライドが高いため、プランタン出店で顔を潰されたので意地になった。また、出る杭を早めに打つという意味もあったのであろう。

c. なぜ、野島は自分の子供と会うことを拒もうとしたのか?

1歳にならないうちに自分の感情おもむくままに離婚し、娘を棄てた自分には母親として会う資格がないと考えたから。
2.輸入ビジネスのお仕事
@ 輸入業者の形態
a. 総代理店形式…一定期間、その地域での販売権利を得て、商品を輸入し、販売する。輸出する側がマーケティングに協力する場合と、しない場合がある。輸入自動車業界ではGM(輸出元)とヤナセ(輸入元)のような関係が、この形式。
b. 現地子会社形式…輸出する側が輸出先に直営の法人を設立し、その企業を通じて輸出先で販売する。輸入自動車業界ではBMW(輸出先)とBMW JAPAN(輸入元)のような関係が、この形式。

A 輸入事業の留意点
a. 契約の有効性
b. 決済方法
c. 受発注システム
d. 販売の制限
e. 輸入ノルマがあるか
f. 商品に瑕疵(不良)がある場合の対処法
3.企業の財務諸表
@ 資金繰り表…資金の流れを時間の流れと共に記帳するもの

A 貸借対照表…会計年度の最終日における会社の財産、借金、資本を記帳するもの
流動資産 借入金
固定資産 資本金
a. 流動資産+固定資産=借入金+資本金
b. 流動資産=現金、預貯金、有価証券、原材料、商品等
c. 固定資産=営業権(専売契約権など)、不動産
d. 借入金=短期借入金(1年以内に返済する借金)、長期借入金(返済期限が1年以上の借金)
e. 資本金=資本、利益

B 損益計算書…一定会計期間内の売上、費用、利益を集計したもの
売上高
 仕入れ原価(食器仕入費用等)
 販売費および管理費(人件費、家賃等)
営業利益
 営業外利益(利息等)
 営業外費用(金利支払い等)
経常利益
 特別損益(プランタン出店保証金等)
税引き前利益
 税金
純利益