〜起業の戦略〜
第3話 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 | ||
1.起業直後の問題 | ||
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あらすじ 太田が会社を辞める時が来た。いよいよ野島、太田、鴨下3人で出資し、有限会社リトルバードを設立することになった。ところがOL気分の抜けない鴨下に、2人は唖然。ショップ開業のための必要な資金を獲得するために、リラクゼーション・ホテルの企画をエステ業界に持ち込むが難航する。野島と鴨下がとうとう衝突し、早くも会社は空中分解寸前。そんな中、鴨下が北海道のリゾート会社三ッ木エンタープライズ社長に企画を売り込み、3人は北海道へ招かれるが… A ドラマのポイント a. なぜ金融機関から融資を受けられないのか? 事業と取引の実績がなく、担保に出来る資産がない法人では民間金融機関から融資を受けられない。経営者の資産を担保にするか、親戚や知人からお金を借り入れるか、事業内容で審査される国民金融公庫などの公的金融機関から借り入れるか、投資家から出資を受け入れるなどで、外部から資金調達をする。 b. なぜ鴨下は疎外感を感じたのか?鴨下をうまく活用するにはどうすべきか? 鴨下は野島や太田と異なり、強い想いを持たず起業へ参加している。そのため、2人は鴨下にヴィジョン、目標、価値観の共有を促すような働きかけをしなくてはならない。3人の組織なのに、重要と認識できるような仕事を与えられず、重要な仕事は野島と太田の2人だけで意思決定され、実行されてしまう。鴨下の性格と能力に合わせて仕事を探し、権限委譲を行う。しかし、鴨下の実力が不安ならば、仕事を任せるときに任せる側が鴨下へ教育的指導を行っておく。人間は自分の存在意義を、他人に対してどれだけ重要な意味を持っているか、というところに置くことが多い。野島からやりたくない雑用を、「あんたはこの程度の雑用的仕事しかできないでしょ」というように押しつけられ、しかも「あんたはバカだから」のように職務以外のことでけなされたら鴨下がイヤになってもしかたがない。雑用も組織にとっては重要な仕事かもしれないので、仕事の意味合いをしっかり教えてから雑用を頼むと良い。名刺などの些細なことでも人間は結構気にするので、配慮する必要あり。 c. なぜ事業が軌道に乗らないのか? 事前に計画を立てていない、その場しのぎで当座の売上を確保しようとして考えられた事業では、なかなかうまくはいかない。また、会社の知名度、信用、人脈、経営資源があまりない状態では、なかなか大きな仕事がしにくい。リラクゼーションホテルの企画を立案し、営業をしてうまくいけないことに関して、太田が「企画を練り直そう」と提案したのに対して、野島が「向こうに見る目がないのよ」と一蹴している。自信を持つのは良いが、客観的に分析して次につなげるということをしない限りは発展はない。野島の自信過剰が事業を軌道に乗せることを多少は阻害しているかもしれない。 d. 野島の起業前の事業計画に問題があったのだろうか? 事業計画、特に資金計画がずさん。ショップ開業のための必要資金は当然見積もられているはずで、その資金調達の見込みができてから起業をすべきであろう。野島は自信家だから、自分の立案した事業計画に対して強気で、なんとかなると思っていたのかもしれない。 B 用語の解説 a. ベンチャー・キャピタル ベンチャービジネスにリスクマネーを供給する個人、金融機関、企業、組合などの投資家。 b. エンジェル資金 自ら起業して成功を収めた金持ちが投資目的に加えて社会貢献の視点から、起業直前の個人や起業直後の企業へ投資をし、経営のアドバイスをしてくれる。彼らをエンジェルと呼ぶ。 c. 経常利益…売上高から営業経費、金融収支などを引いた後の利益 d. エステ業界 2000年になって、訪問販売法の改正、業界の競争激化、組織の陳腐化から業界3位の「エステdeミロード」が自己破産を申請した。イメージを売る業界だけに広告宣伝費や設備費などの支出が多く、それをカバーするために高額な料金を徴収するというビジネスモデルを多くのエステ業者は採用している。そうしたビジネスモデルが売上の減少によって破綻したのである。 e. 新規参入…新しくその業界に参入すること |
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2.起業形態の選択と法人設立 | ||
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自営業(個人商店など) |
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3.起業直後いかに稼ぐか | ||
@ 本業を軌道に乗せるには? a. 起業前の準備段階における営業活動の重要性 起業を決めた段階から、知人、仕事上の関係者に根回ししておき、起業後注文を貰えるようにしておくことも重要。起業後に営業を開始しても実際に売上が計上できるまでタイムラグがあるため、売上のない日が続き精神的につらい。 b. 半年程度は無収入でも生活していけるだけの蓄えを持つ c. 潜在的顧客への存在アピール→広告・販売促進 起業直後の場合は社名等が浸透していないので、まずは社名や経営者を潜在的顧客に認知して貰うことが重要である。 A 本業が軌道に乗らない場合には? 3ヶ月をめど(事業特性によって変わってくる)に、なぜ事前に立案した事業計画が軌道に乗らないのか原因を探り、戦略の修正を行う。また、本業の周辺・関連事業で手っ取り早く稼げるものを手がけ、当座をしのぐ。 |
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