a 組織の業績が悪化しても、その落ち込みが緩やかであれば、業績悪化への危機意識はなかなか生まれにくい。
b 危機意識は、業績悪化を防ごうという動機づけになるため、危機意識が組織メンバーの中で醸成されないと、組織再生が開始されない。
c 組織再生の第一歩は組織メンバーに現状に対する危機意識を共有させることから始める。
d 危機意識を醸成する方法は、賃金カット、人員削減など具体的な痛みを組織全体へ与えることで、組織の危機が身近なものと組織メンバーに認識させる。
Step2 新たなビジョンを示すことで危機意識を変革のバネにする
a 危機意識が組織メンバーで醸成されたら、次はその危機意識を組織再生への意識へ転換し、組織を再生しようという意欲へつなげる。
b 危機感を持ち、それへの対応が明確でないと混乱状況にとどまる。そこで組織のリーダーやそれに代わる人が新しいビジョンを示し、変革を実行すれば明るい未来が開けることを信じさせる。
c ビジョンは結果として組織メンバーの利益にもつながることを含めておく方がよい。
d 最初は、痛みを伴う変革を動機づけられた組織メンバーは少数である。そこで、組織再生を主導するリーダーはコミュニケーションを十分取り、賛同者を組織の中に増やす。また、組織外部、特に利害関係者へ明言していく
e 組織変革に賛同しないメンバーがいても、それに対して変革への協力をするように地道に働きかけ、組織の大勢が変革へ向かえば消極的ながら協力することになる。しかし、それでも意固地に組織変革へ協力しない場合、組織変革へ水を差す懸念があるため、何らかの脅しやペナルティを与えて意識改革を迫る必要もある。
Step3 変革の道筋の提示
a 組織を再生する道筋を表したロードマップを提示する。ロードマップは組織再生の最終目的と、そこに至る中間地点に下位目標を提示する。
b 組織再生の目標だけでなく、具体的な実行案を提示しておく。
c 実行案に対する実行責任と権限を組織変革賛同者へ与える。
Step4 変革をし続ける
a 変革は小さなことから始め、組織メンバーへ初期の段階に成功を体験させる。成功を体験させるために、組織全体で支援する。成功体験は次の変革の実行の動機づけになる。
b 変革の活動がうまく行き始めたら、少しずつ難度の高い変革へ挑戦させていく。
Step5 変革の制度化
組織変革の成功が少しずつ積み重なっていったら、それを制度化、システム化していく。それによって変革の動きを逆戻りにさせないようにする。
Step6 組織再生の成功と新たな変革の取り組み
a 組織再生の当初の目標が達成できたら、その成果を検証し、再生によって得られた利益を組織メンバーへ分配する。
b 組織再生が成功した時点で、既に組織の陳腐化が始まっている。そこで、新たな変革の種を探し、組織メンバーを巻き込んでいく。
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