(1) 組織のライフサイクル論
?a事業・製品のライフサイクル
製品や事業に寿命(ライフサイクル)があり、単一や少数の製品や事業に依存した組織は、それらの寿命が尽きると、組織の寿命も尽きてしまう。
?b組織メンバーの成熟と入れ替わり
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組織のメンバーが入れ替わらないとメンバーの年齢が高くなり、成熟する。新メンバーを入れないと、メンバーの年齢進行と共に組織も成熟し、停滞する懸念が出てくる。
(2) スタートアップ期
?成長・・・事業創造による成長。面川が従業員を採用し、ホテルをオープンし、客とトラブルを起こしながら、なんとかやっていた時期。
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危機・・・外的脆弱性、組織の統合。具体的には顧客の獲得がスタートアップ期の問題になる。また、メンバー間のコミュニケーションが取れておらず、山村のようにトラブルを起こす従業員もいる。
? (3) 成長期
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成長・・・組織目標の明確化。面川がどのようなホテルにしたいかを従業員に語り、目標を自覚させたことから、従業員の意識改革が始まった。
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危機・・・急激な成長にともなって経営資源調達がついていかれず不足状態になる。また、経営資源を統合するシステムが不在だったり、メンバーの中で成長する人と成長しない人がでてきてしまい、組織の成長と不適合になる人の意欲低下や足手まといの問題が生じる。関麻美が私的理由により組織の成長に適応せず、ホテルを辞めていった。
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(4) 安定期
? 成長・・・成長期の混乱から新たな制度や手続きを導入、組織化することで成長する。
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危機・・・手続きや文章化といった官僚化が進み、組織硬直の危機が生じる。また、組織の分化が起こり、組織の再統合の必要性を生じさせる。
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(5) 成熟期
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成長・・・チームワーク、ルーティン化
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危機・・・組織の慣性による新しい革新がおきにくく、組織の陳腐化が生じる。革新への動機づけを行い、組織革新を行うか、環境に適応することで組織を維持するか、陳腐化から衰退してしまうか。新たな組織のライフサイクルの軌道へ乗せられるかどうかが一番の課題になる。

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