〜競争の戦略〜
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1.競争戦略 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1) あらすじ 少しずつ花子の経営方針に賛同する従業員が増え、店に活気が生じ、花子の考えた商売の工夫が正直屋の顧客を増加させていった。ところが、顧客が増加すると、肉と魚の品出しが間に合わないという新たな問題が生じた。花子のやり方に反発している2人のチーフが、職人のプライドを捨てられず、生産性を改善できないのが原因である。また、正直な商売をしようとする花子はリパックを問題視するが、リパックを商売の工夫と考える店長たちと花子の対立が深まり・・・ |
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2.新しい経営理念とビジョンの創造 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1)
スーパー業界の競争構造
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3.スーパーの競争優位の戦略 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1) 顧客の創造と顧客満足(Customer Satisfaction)の追求 顧客のニーズや期待に応え新規顧客や離れていった顧客を獲得し、顧客満足を高めて固定客としていく。 (2) 何が顧客を惹きつけ満足させるのか a. アクセス…立地・営業時間・駐車場 スーパー業界ではコンビニに対抗して営業時間が長くなる傾向にある。札幌市中心部にあるディナーベルは24時間営業。 b. 仕入れ管理…売れ筋商品をなるべく安く必要量を仕入れる→取引業者との効果的協動 c. 品揃え…欲しいものがすぐに手に入る→仕入在庫管理と商品の展示方法の工夫 d. 商品管理…価値ある商品を欲しい量販売する→価格設定・品質管理 e. 情報管理…顧客情報や販売情報を有効に使用し効果的販売につなげる f. 接客…人的サービスの良い印象が決め手→社員やパートの教育、管理、および高い従業員満足が良好な接客をもたらす。特に主婦パートの戦力化が接客の印象を高めることになる。 g. 店舗管理…買い物しやすく好印象を与える購買環境を作る→店舗レイアウト・清潔感 h. 顧客管理…顧客の情報を収集して、顧客のニーズに対応して長期にわたって頻繁に来店して貰う。 i. 付加サービス・・・ポイントカード・宅配サービス・料理方法の解説などの付加サービス (3) 徹底した顧客志向の価値観と組織文化の形成 顧客志向に徹しないと顧客満足の追求がおろそかになり、客足が遠のく。正直屋はその典型。そのため、スーパーに限らずどんな店でも顧客志向の価値観を従業員に浸透させようと努力している。しかし、リーダーシップの限界などから、全ての店が顧客志向の組織文化を形成できていない。君らも顧客を大切にしているかどうかという視点で、お店をシビアに見てみよう。 (4) スーパーマーケットの営業成績評価 A 交差主義比率=売上総利益率×商品回転率…儲け具合を商品のマージン(売上総利益率)と売れ具合(商品回転率)から測る B 売上総利益率=売上総利益(粗利益)÷売上高 C 商品回転率=売上高÷平均在庫高 |
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4.リエンジニアリング(Business Process Reengineering) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
(1) 来店客が増えた「正直屋」での新たな問題点 鮮魚・精肉の加工処理部門がボトルネックとなる (2) ビジネス・プロセス分析 事業における業務の流れを分析し、コスト削減や独自の付加価値を顧客に提供できる機会を発見する (3) 職人気質を頑固に持ち続ける売り場チーフ 重要な仕事はチーフだけが行う→チーフの作業能力が組織のアウトプットを制約する (4) 正直屋のリエンジニアリング=業務の再構築 職人が一人で重要な仕事を担当するのではなく、若手従業員やパート職人に分担させ、流れ作業によってバックヤードの生産性を改善する。 (5) 価値システムの視点から価値産出を高める業務の構築を図る 組織の価値連鎖(価値を産出する機能の集合)だけではなく取引業者や顧客の価値連鎖と連結し価値産出を高める 事例1:顧客からの情報獲得・・・顧客の価値連鎖との連結 正直屋の顧客の声を聞くことでニーズを知ることができ、葉つきのトウモロコシを現地直送で販売する新しいビジネス機会が発見できた。 事例2:鶴亀食品とのおにぎりの開発・・・生産者の価値連鎖との連結 顧客のニーズを良く知る正直屋の情報は、鶴亀食品にとってもメリットがある。そして、正直屋にとっても鶴亀食品に顧客志向の価値観を共有してもらうことで、鶴亀食品の商品品質向上で顧客満足を高められるメリットを得る。 |
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